PF トップライト

 最近は新鶴見のEF65や愛知のEF64が全検出場のたびに原色に戻されて、貨物列車撮影の楽しみが増えているのは本当に嬉しいことです。未更新機が全て廃車になり、塗装で区別する必要がなくなったのでしょうが、傍目に見ても原色のほうがセンスが良いと思いますから、無理して更新色など作らなくてもよかったような気がしてなりません。

 そんな話は脇に置いておくとして、未更新の原色PFが残り2輛(2119、2121)になってしまった頃、数少ない原色のPFは結構注目されていました。もう撮れなくなってしまうかもしれない原色PFが牽く貨物列車を撮ろうと、あちこち出かけたものです。なかでも景色の良い区間を走る鹿島貨物は、最も人気があったのではないでしょうか。

 当時、EF65は午前中の鹿島貨物の運用に入っていていました。下り列車は前泊しないと撮ることは難しくて、上り列車が主なターゲットでした。この季節、トップライトで撮影条件は厳しかったのですが、梅雨の晴れ間の好天に誘き出されて久住の幡谷踏切に行ってきました。いかにも夏の光線ですが幸いフルコンで、老い先短い2119号機の活躍を記録することができました。

 この写真が撮れれば時間をかけて久住までやって来た甲斐があるというもので、コンビニでビールを買って一人で祝杯をあげました。今では原色のPFも増えましたが、青プレの罐はいませんから、やっぱり当時行っておいて良かったと思っています。

(2015.6.20 成田線 滑川-久住 Narita line Namegawa - Kuzumi)
[Rail Magazine 389 / 2016-2 掲載]