常陸小川 夏の朝

 田んぼに蓮田に森にキハ、絵に描いたような鹿島鉄道の情景です。こんな幸せな光景に出会えただけで、鉄道写真を撮っていて本当に良かったと思ってしまいます。

 この列車は朝の通学列車で、三井芦別鉄道や夕張鉄道からやってきた、貴重な湘南形のキハが2連で運用されていたのを目当てに出掛けたのですが、良く考えれば夏休みの真ん中の旧盆の時期でした。当然のことながら三井芦別や夕張のキハは車庫でお休み中で、当線の主力、キハ601がやって来ました。

 当時はそんなことに腹を立てていましたが、このキハ601、前面こそ不細工ですが戦前製の貴重なキハ42000形ガソリンカーの生き残りだったのでした。そんな車を大切に保守し冷房装置まで載せて、2007年の廃線時まで使い続けてくれた鹿島鉄道には感謝することしきりです。

(1990.8.16 鹿島鉄道 常陸小川-四箇村 Kashima railway Hitachiogawa - Shikamura)