緑の中を

 2006年から磐越西線の臨時特急や快速「あいづライナー」で使用されていた、真紅の485系「あかべぇ」は派手な塗装で注目を浴びていましたが、正直なところ撮影対象にするには憚られる存在でした。そんな「あかべぇ」が、震災後の2011年6月に国鉄特急色を纏って出場したときは正直感動しました。内装は現代の水準にアップグレードされていながら見た目は登場時のままで、お客にもマニアにも優しい素晴らしい車両に変身していたのでした。

 この日は残念ながら磐梯山に雲がかかっていたので、神社裏の撮影地で「あいづライナー」を迎え撃ちました。7月も下旬になると沿線の緑もすっかり濃くなり、田んぼの稲もふかふかとした絨毯のようです。そんな一面緑の景色の中に赤とクリームの国鉄特急色が映えます。私のような海外鉄でも、日本に生まれて良かったと思ってしまう一瞬です。

(2011.7.22 磐越西線 翁島-更科(信) Ban-etsu west line Okinashima - Sarashina)

只見線全線開通40周年号