インカーブで望遠使うアホ

 その昔、鉄道写真の世界に「インカーブで望遠使うアホ」という過激な格言がありました。インカーブで望遠レンズを使って撮影すると、パースペクティブの関係から先頭の機関車が相対的に小さく見えてしまい、後に続く客車や貨車ばかりが大きく強調されてしまうので、格好悪い写真になってしまう、というのがその意味でした。インカーブは標準か広角で撮るのが常識でした。

 でも、今の若い人たちはこんな格言などお構いなしに撮っています。短編成の電車や気動車ではそんなことは関係ないのかもしれません。で、私も「インカーブで望遠使うアホ」写真を撮ってしまいました。それもDD51重連が牽引する磐越西線の石油臨貨です。その結果、光線状態や邪魔者(同業者を含めて)などを勘案すると、いつも撮っているアウトカーブ構図より、よほどすっきりしていて素敵な絵が撮れました。今さらながら、柔らか頭が大切だということを痛感した次第です。

(2011.4.10 磐越西線 徳沢-上野尻 Ban-etsu west line Tokusawa - Kami-nojiri)