雨男と彼岸花

 全く理不尽だと思うのですが、やっぱり世の中には晴れ男(女)と雨男(女)がいると思います。私の知り合いのS先生などは、天気予報は雨でも写真を撮りに行けば必ず晴れるという特技をお持ちです。それに対して私などは、晴れの天気予報で撮影に行っても、お目当ての列車が通過する前後30秒だけ曇るとか当たり前にありますから、よっぽど日頃の行いが悪いのでしょう。

 そんな私ともう一人の雨男Oさん(この方は日頃の行いは素晴らしいのですが、なぜか雨に祟られます。)の二人で岡見貨物を撮りに行ったときのお話です。雨男二人で9月の岡見貨物はやはり無謀だったようで、案の定、猛烈な台風16号が沖縄から九州西方を通過し、山口宇部行きの飛行機も飛ぶかどうかわからないまま羽田へ向かうことになりました。どうにか飛行機が飛んだので喜んでいたのもつかの間、現地に着いてみると中国地方のJRは全て運休で、何しに来たのかわからない状態です。結局この日は美祢で停車中の入換機をスナップしただけで終わってしまいました。

 翌朝、一縷の望みをかけて本俣賀に行ってみるも、やっぱり貨物は来ず、DD51重連撮影の夢はあっけなく砕かれてしまいました。午前中は青浦あたりのロケハンなどして午後は美祢線に向かいました。この頃には天気もすっかり回復して、稲刈りも終わった田圃の畔では彼岸花が咲き誇っています。昨日までの荒天は一体何だったのでしょうか。それでも今日はダイヤも正常化しており、美祢まで貨車を迎えに行く単機回送は時間通りやって来ました。苦しい思いをしてやっと会えたDD51です。単回ではありますが、万感の思いを込めてシャッターを押しました。

(2012.9.18 美祢線 四郎ケ原-南大嶺 Mine line Shirogahara - Minami-omine)

やっと会えた炭カル貨物