初夏の小駅

 ヴォルシュティンでしばし蒸機の撮影を楽しんだ後、ちょっと郊外に出てみようと思い、列車で一駅、トウォキに行ってみました。ヴォルシュティンからわずか5キロ程ですが、あたりはすっかり田舎の風情で、こじんまりとした駅舎が好ましい雰囲気です。今では列車交換もできない棒線の無人駅になっていますが、草むした側線にはTy2(旧ドイツ52)の廃車体がいたりして、退屈しません。あたりは泥んこ道で、遠くを馬車が走って行くのが見えました。

 朝は霧で肌寒かったのですが、昼間になりすっかりいい天気、気温もあがり汗ばむ陽気になりました。やがて、ヴォルシュティン行きの列車がOl49に牽かれてやってきました。駅で数人の乗降があって、列車はゆっくりと発車していきますが、完全燃焼で黒煙はあがりません。まぁ、これはこれで好ましい雰囲気なので満足です。機関車も、いかにも動態保存といった気負いはありませんが、日頃からよく整備されているという雰囲気がでていて、とってもいい感じです。私は個人的に、キンキラキンの装飾と同様に、あんまり酷く汚れた車輛は好きになれません。

 撮影しているときは気がつきませんでしたが、こうして写真で見て見ろとこの機関車、2階建ての客車と同様に、車輛限界を一杯に使っているのがわかります。威風堂々、周囲を圧する雰囲気があるのも道理です。日本の機関車ではなかなかこうはいきません。

(1994.5.24 トウォキ Tloki)

ウォルスティン湖

夕方、ヴォルシュティンを散策しました。町はずれにきれいな湖がありました。

1994.5.16
バーリの朝
イタリアの片隅で
1994.5.22
クラクフのこと
1994.5.24
ヴォルシュティンの朝
・初夏の小駅
1994.5.25
52の残党
1994.5.26
ポズナニの印象
1994.5.28
ハルツの蒸機
ハルツの99
1994.5.29
杉木立
1994.5.30
天上の楽園ブロッケン、しかし
1994.5.31
ポツダムのトラム
1994.6.3
オスロのジャンプ台