都会の新緑

 中央線の魅力のひとつに、都心を走る路線とは思えないほど緑に恵まれた景色の中を走っていく、ということがあります。無機質になりがちな都心の路線ですが、四季折々の車窓を楽しみながら乗っていると、思わず自分が東京の真ん中にいるのを忘れてしまいます。そんな中央線ですが、お濠端では桜の季節が過ぎれば新緑の季節がやってきます。薄雲の広がって柔らかな日差しが注ぐ初夏の朝、市ヶ谷駅に行ってみました。

 ホームの端から四ッ谷方面を見てみると、お濠端の木々の緑はもとより立体交差する緩行線の築堤も、みんな黄緑色のきれいな新緑に染まっています。こんな幸せな景色のなか、お目当ての201系オレンジ電車がやって来ました。この雰囲気っていぃな~と思ってカメラを構えていると、総武線の電車が築堤を登って来ました。

 後追いでヘッドライトが点いていないとか、そんな細かいことはどうでも良くなってしまうような素晴らしい景色に出会うことができ、幸せな気分に浸りながら次の撮影地に向かいました。

(2010.5.4 中央本線 市ヶ谷-四ッ谷 Chuo line Ichigaya - Yotsuya)