去りゆく秋、最後の輝き

 長らく仙台にいて磐越西線などでも活躍していた583系のN-1+N-2編成ですが、秋田の583系が廃車される代替として2011年8月に転属してしまい、活躍する機会もずいぶん少なくなってしまいました。それでも「わくわくドリーム号」などの臨時列車で東京にやってくることもあり、一度は撮りに行きたいものだと思っていました。しかし、N-1+N-2編成系が上京してくるとなぜか天気が悪いことが多くて、なかなか撮影の機会に恵まれませんでした。

 それでも12月上旬のこの日はよく晴れて、早起きをして出かけることにしました。師走の声を聞いて近所の銀杏も色づいています。中井精也氏の「一日一鉄」ですっかり有名になった、「いつもの公園」の銀杏も綺麗になっていることでしょう。583系と一緒に撮ろうという魂胆です。

 しかし東京の郊外、越谷は思いのほか寒くて銀杏の木も大分葉を落としています。結構心配しましたが「いつもの公園」に着くと、木に残っている黄葉もけっこう綺麗で、なかなかグッドな景色でした。で、当初の目論見どおり583系と黄葉した銀杏のコラボを撮ることができました。抜けるような青空と銀杏の黄葉、最高の舞台に立った583系には千両役者の風格が漂っていました。

(2012.12.8 武蔵野線 南越谷-東川口 Musashino line Minami-koshigaya - Higashi-kawaguchi)