EF71のこと

 現在は山形新幹線となり、E3系や719系が颯爽と走っていますが、奥羽本線の福島・米沢間の板谷峠は33‰の勾配が連続し、赤岩、板谷、峠、大沢の4駅連続スイッチバックなど、難所として知られていました。古くは4410やE10のような勾配用の特殊な蒸機が活躍していましたし、電化後もEF16やEF64といった勾配区間用の機関車が、この板谷峠のために開発されてきました。

 そして1968年に電化方式を交流に改める際にも、また新しい機関車が開発されることになりました。奥羽本線に加えて仙山線にも入線できる軸重可変式のED78と、板谷峠の貨物列車などの補機としての使用を想定したEF71の2形式が作られて、長く活躍してきました。

 山形新幹線の工事に伴い激変が予想された奥羽本線にEF71などを撮りに出かけたのは、1989年の師走のことで、いつものことながら自分の腰の重さに呆れてしまいます。485系の特急「つばさ」が走り抜ける本線に残る数少ない貨物列車が、EF71の単機牽引でやって来ました。重連でないのは残念ですが、午後の斜光線を浴びて走るEF71は格好良かったのを憶えています。そしてこの貨物列車も翌年の夏には、山形新幹線工事の進捗によって仙山線経由でED78の牽引に変わりましたから、こうしてEF71の姿を記録出来て本当に良かったと思っています。

(1989.12.2 奥羽本線 庭坂-赤岩 Ou line Niwasaka - Akaiwa)

 12月4日、さいたまスーパーアリーナでU2のコンサートを観てきました。実に13年ぶりの来日です。チケット代の高さにはうろたえましたが、演奏がはじまれば怒涛の2時間あまり、楽しい時間を過ごすことができました。自分やメンバーの齢を考えれば彼らのライブを観る最後のチャンスでしょう。鉄道もしかり、撮れるときに撮っておかなければならないと思っています。

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