遅れ「あけぼの」

 上野と秋田・青森を結んでいた寝台特急「あけぼの」、私の世代には奥羽本線の列車という印象が強いのですが、山形新幹線や秋田新幹線建設の影響を受けて流転の歴史を辿ることになりました。秋田新幹線が開業した1997年から廃止される2014年まで、実に17年間も上越線、羽越本線経由で運転されていたのには改めて驚かされます。しかし、上下列車とも上越線内は深夜通過のダイヤとなっていたこともあり、どうしても「あけぼの」と上越線のイメージは結び付きにくかったように思います。それでも晩年には、撮影機材の変化に伴って深夜の上越国境での「闇鉄」が注目を集めたりして、時代の変化に目を見張ったものでした。

 そんな寝台特急「あけぼの」ですが、冬季には羽越本線沿線での強風のため運行が不安定で、運休や大幅な遅れとなることも結構ありました。秋田県沿岸の天気予報で吹雪マークが出ていると、大概運休になってしまったもののですが、3月2日、土曜日の晩の列車は荒天の予報にも関わらず運転されました。運行状況を注目していると案の定、大幅な遅れがでていました。これは大変にラッキーなことで、日曜日は早起きをして上越新幹線で上毛高原を目指しました。

 向かったのは水上駅の先の超定番ポイントです。すでに10人以上の同業者が集まっていて、雑談をしながら「あけぼの」がやって来るのを待ちます。列車の乗客は既に新幹線で東京に向かっているとのことで、実質上は回送列車ですが、写真に撮る分にはそんなことは関係ありません。休日の明るい時間に上越国境を走る「あけぼの」を撮る機会など、次はいつのことやら知れません。そして11時前になってようやく、EF64に牽かれた「あけぼの」がやって来ました。折から小雪が舞っていい雰囲気です。この1枚が撮れてもう満足なのですが、この列車、水上駅でもゆっくり停車していたので、水上駅の発車も撮れてしまい、にこにこしながら帰途につきました。

(2013.3.3 上越線 湯檜曽-水上 Joetsu line Yubiso - Minakami)