青空と強風

 集通鉄路の熱水は一年を通して風の強い土地ですが、開通初年度の年末は、その強風の影響をあまり受けずに撮影することができたように思います。しかし2年目の年末には当地の強風はその本領を遺憾なく発揮して、慣れない撮影者たちを翻弄することになりました。12月28日こそ夕方のΩカーブを上って来る列車をゲットできましたが、翌29日は2日に1本しか撮れない旅客列車を含めて、みな朝夕の山影や強風によって撃沈してしまいました。

 などとぼやいていても始まりませんので、30日の朝は気合いを入れて経棚の第一橋りょうに行きました。この日も良く晴れましたが強風は相変わらずです。現地に着くと間もなく本日1本目の列車がやって来ましたが、まだ列車に陽が当たっておらず、これでは写真になりません。次の列車を撮るためにΩカーブの橋りょうを見下ろす丘の上に登ってみると、吹き飛ばされるような風が吹いています。待っていても寒くて仕方がないのですが、なかなか列車はやって来ません。ようやく今日2本目の列車がやって来たのはもう11時半です。

 機関車の煙は強風に翻弄されていますが、列車が橋梁にかかると折からの横風で煙も真横に舞っていきます。それでも青空と白雲のコントラストが美しく、バックの山並みも雄大です。これで雪があれば最高なのですが、まずは当地らしい写真が撮れて、胸をなでおろして丘を下りました。これでどうやら、昼飯時のビールも美味しく飲むことができそうです。

(1997.12.30 集通線 経棚-下坑子 Jitong line Jingpeng - Xiahangzi )

1997.12.27
・青空と強風