初夏の御茶ノ水

 以前も書きましたが、中央線の素晴らしいところのひとつに、都心を走っているということを忘れさせてくれるくらい、車窓から緑や水面が見える区間が多いことがあると思っています。そんな中央線のなかでも、201系オレンジ電車を撮りに行った回数が一番多かったのは、間違いなくこの場所だったのではないかと思います。 御茶ノ水橋から見る御茶ノ水渓谷の景色はいつ見ても素晴らしく、春夏秋冬、忘れることができない風情を醸し出してくれました。

 そしてこの日も出勤前のひとときを、御茶ノ水橋で過ごすことができました。新緑の季節も過ぎて今や初夏、木々の緑もすっかり濃くなって、神田川の川面にその姿を映しています。背後には順天堂のビル群が聳え立って、都会の中の緑が中央線のオレンジ電車の姿を引き立てています。

 はるばる遠くの地方まで出かけて、人工物のない景色の中を走る列車を撮るのも楽しいのですが、こんな都会の景色の中を走る通勤電車の姿にも、また別の魅力があります。御茶ノ水駅の工事が一段落したら、またのんびりと御茶ノ水の景色を見に行ってみたいと思う今日この頃です。

(2009年5月20日 中央本線 水道橋-御茶ノ水 Chuo line Suidobashi - Ochanomizu)