あじさい電車

 小田原から強羅へ向かう箱根登山鉄道、途中の箱根湯本までは小田急線の延長みたいな雰囲気ですが、箱根湯本から強羅までは、ご存知のとおり最急勾配80‰を誇る山岳鉄道です。そして梅雨時には、箱根の初夏を彩るあじさいを各所で車窓に望めることでも有名です。

 この箱根登山鉄道沿線のあじさい、電車に乗っていると結構いろいろな場所で咲いているのですが、沿線であじさいと登山電車を一緒に撮ることができる場所となると、意外と少ないことに気がつきます。そんななかでも大平台駅付近では、線路沿いの「あじさいの小径」が一般の観光客にも人気で、シーズン中はいつも賑わっています。

 ところで、あじさいの写真を撮るのに、晴れたほうが良いのか雨降りが好ましいのかは悩ましいところです。個人的には雨に濡れたあじさいの雰囲気も好きなのですが、この日は予報が外れて、現地に着くと日が差してきました。それでも登山電車のオレンジ色と紫色のあじさいとのコントラストが美しく、思いのほか気に入った写真を撮ることができました。

 そんな箱根登山鉄道ですが、昨年10月の台風19号で甚大な被害を受けて長期運休を余儀なくされています。今年、登山電車とあじさいのコラボを見ることは叶いませんでしたたが、7月23日に運転が再開されることになり、すでに試運転も始まっているそうなので、来年には再びその姿を見ることができると期待しています。そして今度は、梅雨の雨にしっとりと濡れたあじさいの姿も撮ってみたいと思っています。

(2014.6.29 箱根登山鉄道 大平台-上大平台(信) Hakone tozan railway Ohiradai - Kamiohiradai)