風に踊る白煙2
 中国の地方鉄路ではよくあることでしたが、ここ集通鉄路も日によって列車本数に結構な差がありました。次の東行き貨物がやって来るまで3時間、もう昼過ぎになってしまいました。これが短距離の鉄道なら「元日は列車本数が少ないね。」という話になるのですが、何日もかけて貨物を輸送する長距離路線ですから、列車本数の谷間がたまたま熱水付近で元日になったというだけのことで、それ以上の意味はないのでしょう。

 そして向かったのは昨日も撮った下坑子の駅です。よく飽きないものだと我ながら呆れてしまいますが、線路端かぶりつき写真が大好きなのですから仕方ありません。山の上とは違って、強風もそれほど苦にはなりませんし。今日は昨日とは反対の線路の北西側でカメラを構えました。ここは大抵追い風が吹いていて、駅の向こうのカーブを曲ってから駅を通過して目の前のアウトカーブを通過するまで、ずーっと上空高く白煙が上がっていて大変迫力があります。

 この光景、ビデオで見てみると今でも大興奮してしまうのですが、私の拙い技術ではスチル写真でその迫力を十分にお伝え出来きないことに、忸怩たる思いがあります。でも所詮、私の写真など自己満足に過ぎないのですから、20数年後の今日に改めてこの写真を見て、私の脳内に当時の感動が蘇ってくれば、それでよいのではないかと思ってしまいます。(このときの光景は、そのくらい素晴らしかったのです。) 

 次の列車はまた間隔があいて、陽も傾く頃になってしまいました。素晴らしい光線のなか、満を持して待っていたのですが、現れたのは何と重連単機回送。まぁ、世の中そんなもんですね。その後、上店のトンネル上の国道から西行き重連貨物を撮って、熱水での撮影は打ち止めとなりました。2年目の熱水は雪こそ降りませんでしたが、それなりに楽しい思い出もできました。今夜の宿泊地、赤峰に向けてバスは快調に走りました。

(1998.1.1 集通線 下坑子 Jitong line Xiahangzi )