高層ビルからの眺め
 中央線の201系オレンジ電車、高尾以西の山岳区間で自然の中を走る姿も素敵ですが、やっぱり都会を走る通勤電車です。いかにも都会、という景色の中を走る姿も記録しておきたい、との思いも強くありました。そんなことを考えているとき、新宿の高層ビルから中央線の電車を撮るアングルが、ネットで紹介されていました。

 高層ビルから中央線を遠望するこの構図、空気が澄む冬になったら撮りに行きたいものだと思っていました。休日の201系の運用と天気の具合を見計らっていましたが、12月中旬の土曜日にチャンスが巡ってきました。それでは出撃と、カメラ1台をぶら下げて新宿に向かいました。撮影ポイントは、高層ビルにあるレストランの入口付近のフリースペースです。ランチとディナーの間の中途半端な時間帯だったので、レストランに出入りする人もおらず、場違いな場所で外に向かってカメラを構えていても、奇異の目で見られることがなかったのは幸いでした。

 眼下に広がるのは、コンクリート・ジャングルという言葉がぴったりするような殺伐とした光景で、ヨーロッパの都市とは比べるべくもなく、お世辞にも美しいといえるような代物ではありません。しかし、これが今日の東京の実態です。それでも奇抜な色彩のビルがないだけ、まだましなのでしょう。冬の午後の柔らかな光の中、201系のオレンジ色が引き立つ写真を撮ることができて、満足して家路につくことができました。

(2009.12.19 中央本線 大久保-東中野 Chuo line Okubo - Higashi-nakano)